文化の力・東京会議では今年、「文化の力で社会変革―文化から見た新しい経済像―」として、社会形成に大きな影響を与える「経済」を取り上げます。昨今、世界の各地で、戦略的な文化政策で都市の魅力を高める「創造都市」の動きや、芸術・文化による地域活性を目指す試みがなされています。また「クリエイティブ・インダストリー」との概念のもと、幅広い産業分野で創造性や知的資本を活用し、経済振興を図る取り組みもあります。このように、文化の経済的側面、観光や産業への貢献といった「経済の視点からとらえた文化」はよく語られてきました。
今回の会議ではむしろ、文化の視点から経済について考えていきます。グローバル化がここまで進行すると、私たちの生活や社会は、世界の経済と無関係ではいられません。経済のあり方や経済観に芸術・文化の側から積極的に関わりながら国際的なネットワークの中で意見を交わし、各界の人々の思考や試みに基づき新しい経済像についてオープンな議論を行います。
【お知らせ】
3年間にわたる会議の成果を報告書としてまとめました。
下記よりダウンロードいただけます。
16:00 | 主催者挨拶 |
---|---|
16:10 | 基調講演Ⅰ 「主権効果。経済レジームにおける市場と権力」 ヨゼフ・フォグル(ベルリン・フンボルト大学教授) |
17:05 | 基調講演Ⅱ 「日本の伝統芸能と資本主義の新しいかたち ―芸術と経済の基底に倫理を見い出す」 岩井 克人(国際基督教大学客員教授) |
18:00 | パネルディスカッション ヨゼフ・フォグル、 岩井 克人、 パスカル・ブリュネ(Relais Culture Europe ディレクター) フェレンシア・フタバラット(クリエイティブ・エコノミー・コンサルタント) 矢崎 和彦(株式会社フェリシモ代表取締役社長) 山出 淳也(NPO 法人 BEPPU PROJECT 代表理事) [議長] 加藤 種男(東京都歴史文化財団エグゼクティブ・アドバイザー) |
20:00 | *内容は変更となる場合がございます。 |
1957年生まれ。ミュンヘン大学哲学部卒業後、同大学院博士課程修了。哲学博士。ヴァイマル大学メディア学部教授を経て、2006年より現職。専門分野は現代ドイツ文学、文学と文化、メディア。知の歴史・理論、近代における危険と危険性の歴史、ディスクール論、メディア論、18‐20世紀の文学史等を研究。著書、『Das Gespenst des Kapitals (資本の亡霊)』(2010)で、一躍脚光を浴びる。ジル・ドゥルーズやジャン・フランソワ・リオタール等フランス現代哲学の翻訳も手がける。
1947年生まれ。東京大学経済学部卒業、マサチュセッツ工科大学Ph. D。イェール大学助教授、コウルズ経済研究所上級研究員、プリンストン大学客員准教授、ペンシルバニア大学客員教授、東京大学経済学部教授、日本学術会議会員等を経て現職。著書に、Disequilibrium Dynamics、『ヴェニスの商人の資本論』『貨幣論』『二十一世紀の資本主義論』『会社はこれからどうなるのか』『資本主義から市民主義へ』など。日経図書文化賞特賞、サントリー学芸賞、小林秀雄賞、M&A フォーラム正賞を受賞。紫綬褒章、ベオグラード大学名誉博士なども授与される。
フランス文化・コミュニケーション省、欧州委員会、フランス外務省の助成を得て、欧州の芸術文化関係者を支援するRelais Culture Europeディレクター。特にコミュニティ・プログラム、文化政策、助成プログラム等に関する情報を発信し、戦略化、プロジェクト化を支援する。レンヌ・ブルターニュ国立振付センターのエグゼクティブ・ディレクター、振付開発プロジェクト「Isadora」共同ディレクター、ブールジュ実験音楽グループ事務局長などを歴任。欧州・国際文化協力に数年にわたって関わり、欧州・地中海恊働ネットワーク「DBM」の設立メンバーでもある。
1978年ジャカルタ生まれ。2011年までオランダの開発援助団体HIVOS東南アジア地域事務所のプログラム・オフィサーとして、国内・国際ネットワーク構築、知的交流、財政安定化、税制措置、文化の多様性問題、クリエイティブ・エコノミーなどを含む文化政策アドボカシーに関わる。特にインドネシア国内、インド、南アフリカの戦略的文化機関と密接な関係を築く。2012年から今年にかけてオランダのエラスムス大学で文化経済・カルチャーアントレプレナーシップを学ぶ。ジャカルタにて、クリエイティブ・エコノミーのコンサルタントとして活動予定。
1955年、大阪生まれ。学習院大学経済学部卒業、神戸大学大学院経営学研究科修了。1978年、株式会社ハイセンス(現フェリシモ)入社、1987年より現職。「ともにしあわせになるしあわせ」を理念に、ダイレクトマーケティングと基金活動に取り組む。1995年よりユネスコ本部との共催によるデザイン21プロジェクトを運営。事業性、独創性、社会性の融合を目指すコーポレート・スタイル・デザイン経営が関心テーマ。元神戸経済同友会代表幹事、神戸商工会議所二号議員。神戸市デザインアドバイザリーボードメンバー、ソーシャルビジネスネットワーク常任顧問などを歴任。2010年毎日経済人賞受賞。
1970年大分生まれ。PS1インターナショナルスタジオプログラム(2000~01、ニューヨーク)の後、文化庁在外研修員としてパリに滞在(2002~04)。「台北ビエンナーレ」台北市立美術館、「GIFT OF HOPE」東京都現代美術館、「Exposition collective」Palais de Tokyo(パリ)など多数に出展。大分・別府にて、地域や多様な団体との連携による国際展をめざし、2005年にBEPPU PROJECTを立ち上げる。別府現代芸術フェスティバル 「混浴温泉世界」総合プロデューサー(2009、2012)、国東半島アートプロジェクト総合ディレクター(2012、2013)。平成20年度 芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞(芸術振興部門)。
1990年にアサヒビール企業文化部課長就任以来、近年のアサヒビールの文化活動のすべてにかかわり、企業によるメセナ活動を幅広くリード。2010年より公益社団法人企業メセナ協議会理事、2012年より専務理事。NPOをはじめ、公益法人、企業、行政の顧問、理事、委員等を多数務める。アーツカウンシル東京カウンシル・ボード議長。2008年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞(芸術振興部門)。
撮影:中村佳代子
日 時 | 10月 25日(金) 16時~20時(15時30分 開場) |
---|---|
会 場 | 都庁都民ホール 東京都庁 都議会議事堂1階 (東京都新宿区西新宿 2-8-1) |
参加費 | 無料 |
定 員 | 200名(抽選) *10月11日に申し込み締め切り、抽選結果を 10月15日頃までにご案内します。 *定員に達しない場合は引き続き先着順にて受付けます。 |